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「木田祐子 彫金作品 展」
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小田急祖師ヶ谷大蔵駅南口から成城学園駅方面に向って徒歩約6分のとろにある「アトリエ祐」で今、彫金ジュエリーを手がける木田祐子さんの個展が開かれている。
一歩ギャラリーへ入ると圧倒されるほどの作品数。ゆうに400点は越えているといい、このすべてが木田さんの手作り。大粒のトルコ石やアメジストなどの天然石を取り入れた、様々な形のアクセサリーが並んでいる。そのどれもダイナミックで、しかし細部までつくりこまれていて、彫金という繊細な芸術の奥深さが垣間見える。テレビや舞台などで製作を依頼されたり、元タカラジェンヌなど著名な方が愛用するのも納得。気に入ればその場で購入ができ、この日も「昨日も来た」というリピーターのお客さんがいた。
作品で用いられている石は、すべて木田さん自身が旅行先や販売会で買い付けてきたもので、好みはきれいに整ったものよりも自然のままの、どちらかといえば面白味ある力強い石。「作品創作のインスピレーションがわいてくる」そうだ。たしかにその言葉通りひとつとして同じ作品はなく、石一つ一つにあわせた彫金ジュエリーをつくりだしている。
「途中の製作過程を業者さんに頼んだりも出来ますけど、そうするとやはり『自分でつくった』、『自分の作品』、という感じがしないんです。一から手でつくった方がいい。達成感もすごいし、だから40年やっていても飽きないんですね」と木田さん
。奥にある製作スペースは意外にも小さかったが、しかしものづくりの現場という感 じがぷんぷんしていた。
「アトリエ祐」では彫金教室も併設しており、現在生徒数は20名前後。木田さんは生徒が皆夢中になっている横で作品を製作しているそうだ。
工房の傍らでその手先を見つめるのは愛犬の「もじゃ」。郵便やちょっとしたものを口でくわえ、いそいそと運んでやってくる。随分かしこいワンちゃんだ、と思ったつかの間、もじゃが持ってきたのはなんと名刺。役職にもついていて、営業部長の肩書きが刻み込まれていた。可愛らしい営業部長が見守るなか、皆で楽しく製作しているのがいつもの光景なのだそうだ。
個展の開催は9月30日まで。その後11月に名古屋、12月に成城での作品展が予定されている。
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■アトリエ祐
東京都世田谷区砧8-21-7
主宰:木田祐子/主任:堤ゆき
tel:03-3416-3362/fax:03-3146-3472
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