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明 転すると壮絶な出産シーンである。 い きむ女。声をかける医者。もたつく看護士。 女 の悲鳴。
医 者が血まみれの赤子を取り上げる。
看 護士「すごくコンディションのいい赤ちゃんです」
医 者 「ああ、本当にコンディションがいい」
看 護士「こんなにコンディションがいいのも珍しいですよ」
医 者 「コンディションがいいなあ。素晴らしい」
女 の声「医者も看護師もしきりに生まれたばかりの赤ちゃんのコンディションの良さを褒めてくれた。だけど、わたしはまず、性別 を知りたかった。男の子なのか、女の子なのか」
劇団献身第5回公演
『悪いやつは大体トモダチ以上恋人未満』
医 者 「最高のコンディションです」
女 「いや、あの」
看 護士「ちょっと床に落としたりするなりしてコンディション崩さないと」
医 者 「そうだな、一般赤ちゃんレベルまで落としたほうが安心かな」
男 か、女か。
女 の声「あたしの子どもは、そんな感じで、コンディション良く、生まれた」
歌 舞伎町に生まれた超健康優良児の100年の話。