下北沢本多劇場開場30周年

 

 本多劇場グループ代表 本多一夫

 本多劇場は2012年11月3日をもって、開場30周年を迎えました。これもひとえに、演劇を愛する皆様のおカ添えの賜物と、心より感謝致します。
 「なぜ、下北沢に劇場を」というご質問をよく受けます。新宿、渋谷といった場所でなければ劇場運営など無理だと、30年前にも随分といわれたものです。
 私と下北沢の縁は、更に時を遡り、20歳で札幌より上京してきた時に始まりました。俳優として第4期ニューフェイスに合格、入社した新東宝という映画会社の撮影所が、小田急線の祖師谷大蔵にあったのです。電車賃10円区間、しかも新宿、渋行にもすぐ出られる下北沢の便利さが気に入って、住むことにしたのです。
 紆余曲折を経て。やがて劇場作りという夢を抱いた私は、今ほどにぎやかでもなかった下北沢の街に劇場を作れば大きな街の劇場よりも自由にのびのびと、思いきったことができる場所になるような気がしました。ここでいい芝居が生まれれば、盛り場でなくても芝居好きが集まり、作り手も観客も一体となり、皆が喜んでくれるのではないか……そんな思いで夢を実行に移しました。
 本多劇場ができて5年たった頃から、「下北沢は演劇の街」と言われるようになり、やっぱりここに作ってよかったと実感しました。今では下北沢に7つの本多グループの小屋が、常時フル稼働で沢山のお客様に楽しんで頂いております。30年前に感じた、自由な劇場への思いは少しも変わりません。
 演劇のすばらしさ、感動を分かち合う場所として、皆様に愛される劇場運営を続けて参ります。
 今後とも末永くお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。













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