「齋藤茂吉と『栂家の人びと』」展


 開催趣旨
 近代短歌における巨人・齋藤茂吉。蔵王山系を望む山形県の農村に生まれた彼は、精神科医、病院長、歌人として東京で暮らしながらも、終生故郷の山河に想いを寄せ続けた東北人でした。第一歌集「赤光」の斬新、第二歌集「あらたま」の清新、そして晩年の「白き山」の絶唱へと、短歌という表現形式の可能性に懸けたその姿は、次男の小説家一北杜夫による自伝的大河小説で世田谷を主要な舞台とする「愉家の人びと」、評伝<茂吉四部作>に深い敬愛をもって描かれています。
 本展は、生誕130年を記念し、北杜夫の著作を通して、息子の眼がとらえた茂吉の波乱多い生涯と作品を展望するものです。明治から大正・昭和へと激変する社会情勢を背景に、時代の流れに翻弄されながらも懸命に生き抜いていく個性豊かな「愉家の人びと」の姿も視野に入れながら、この稀有な歌人の歩んだ<ひとすぢの道>をたどってまいります。

 昨年10月、まことに残念なことに、展覧会の開催を誰よりも喜び楽しみにしてくださっていた北杜夫氏が亡くなられました。
 本展は、父茂吉の短歌によって文学に目覚め、偉大な父の死後、文学者として飛躍してゆく作家・北杜夫の足跡をあわせてご紹介し、追悼の意を捧げたいと思います。
   
箱根での腐藤茂吉と次男宗吉〔のちの北杜夫。)昭和25年5月 瀧山(りゅうざん)山頂での捕藤茂吉。昭和I5年(1941)5月。写真提供:斎藤茂吉記念館
会 期 2012年12月2日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間 10時〜18時(展覧会入場、ミュージアムショップは17時30分まで)
会 場 世田谷文学館2階企画展示室(世田谷区南烏山1-10-10)
観覧料 一般700円、高大生500円、小学・中学生250円、65歳以上・障害者手帳をお持ちの方350円
※団体料金〔20名以上)は観覧料の2割引
  京王線:芦花公園駅南口から徒歩5分
小田急線:千歳船橋駅から京王バス(歳23系統「千歳烏山駅」行)「芦花恒春園」下車徒歩5分 
問合せ 世田谷文学館 TEL.03-5374-9111 FAX.03-5374-9120

















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