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一原有徳展
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一原有徳(19I0-2010)は、徳島県に生まれ、北海道小樽市に住んで制作活動を 続けた版画家でした。既に「俳人」「登山家」として幅広い創作活動を展開してきた一原ですが、パレット代わりに使っていた石版右の上にあらわれた絵の具を練った痕跡から発想を得て、それを刷り取るようになったことがきっかけとなり、版画制作へもすすんでゆきました。l960年に神奈川県立近代美術館主催の「現代日本の版画展」に出品し、一原は異色・異才の遅咲き版画家として評価・注目されました。一原の版画は、物質的な要素を版に置き換えながら、架空の事物を創造していき、抽象表現としても鑑賞者の想像カを刺激する作品です。
武蔵野市は2002年に作品の寄贈を受け、武蔵野市立吉祥寺美術館の開館記念として「一原有徳展変幻の抽象にみる無垢な作意」を開催しましたが、本展は故人を追悼し、その功績を改ためてたたえるという意義でその画業をたどるものです。
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