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「彫金ジュエリー展」
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昨年12月1日〜12日、京王プラザホテルロビーギャラリーで開催された「彫金ジュエリー展」。
飾り立てられた作品たちはどれも色鮮やかで様々な形に作られていて、同じものは一つとしてない。ネックレスとして作られているものだけでも、その形、デザインの多様性は驚くばかりだった。しかも、ただ彫金してアクセサリーとしてアレンジしましたというだけではない。それぞれに、そのデザインにあった石がついていたりする。
作者の木田祐子さん(写真)は、「ただ彫金するだけでなくそこに石をともに飾り付けることで、石と金とがお互いの魅力を引きたて合う相乗効果を生み出すことができる」といい、ある石からインスピレーションを受けて彫金デザインを作ったり頭の中にあるデザインイメージにあった石を探してきたりしてジュエリーを制作しているようだ。
たしかに用いられている石の色や形、大きさは、まるで初めから用意されていたかのように彫金されたデザインとよくマッチしていた。 これには木田さんの強いこだわりがあって、用いる石を自身で磨いたりといだりすることでサイズを調整したり加工を加えるなど、自分が描くイメージにうまくあうように整えるのだそうで、作品たちにはどこにも不整合な部分が見出されない。
しかも、作成にかける時間が長引いてしまうと「手が変わってしまう」ため、結構な大作でも3日ほどで仕上げてしまうという。 いやはや、大変恐れ入った。
手がけられた作品の種類の多様性にも驚いた。 彫金ジュエリー、つまりはアクセサリーであって、実際に目にするまでに抱いていたイメージは、ネックレスにブレスレット、イヤリング。
しかも石を用いるとは思いも至らなかったのであとはせいぜい指輪くらいだろうと思っていた。
ところがどうだろうか。 会場内をみてまわっていると他にも、携帯電話につけられるストラップや壁にかけられたモチーフ、カバンにデザインとして取り付けられているものもあった。そうしたことに、彫金ジュエリーというのは実に様々な形を取りうるのだと、目からうろこが落ちるようであった。
感心し興味津々で眺めていたのだが、壁にかけられたモチーフというのは実は、全てブローチになっていると聞いてますます目を丸くした。 使いたいときに取り出して実際に身につけることができる。 普段は綺麗な額縁におさめてかざっておけるが、それだけでなくきちんと実用性があるというのだ。 機能的でインテリア的で、なんとオイシイことか。 アクセサリーをただ引き出しの中にしまっておくのではなく、お部屋の彩り、アクセントとしてみせながらとっておくという工夫に、新しさを感じた。
それぞれの作品にはプライスカードがついていて、気に入ったものはその場で購入できるようだった。 おそらくこの世に二つとない貴重な作品、それを売ってしまうというのは大変もったいない気がしたが、木田さんはいつもそうして即売会のような形で展示をしている。
世田谷区砧の地に木田さん自身のアトリエ(電話03・3416・3362)があり、作品の通信販売や彫金教室の開催も行なっている。
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