「訪問美容」

 下北沢に美容室2店舗を構える『ラ・フィエスタ』が昨年秋、当地では先駆けとなる訪問美容サービスを始めた。『ラ・フィエスタ』の美容項目にはヘアの他に、フェイシャルやネイル、メイクなどがあり、総合的に美容ケアができる(トータルビューティー)のが売りのサロン。今回新たに訪問美容が加えられたことでトータルビューティー幅が広がった。
 「訪問美容」とは、何らかの事情で美容室まで足を運ぶことが困難な顧客のために、顧客の体調やその家族の都合に合わせて訪問や送迎、施術が受けられる美容サービス。訪問先顧客は、カットはもちろんパーマ、カラー、ヘッドスパにハンドマッサージ、フェイシャルサービス、要望があれば、ヘアセットやメイクサービスも受けられる。その施術者に女性を希望する顧客が多い。女性スタッフが多く2級ヘルパーも控えている『ラ・フィエスタ』ではそういったニーズにも充分対応できる。

 「病気などをすると、今まで普通に通院していたサロンでも行きづらくなってしまうことがあります。訪問美容は、どなたでも気兼ねなく利用していただけるもので1回でもご利用になると、安心していただけると思います」と、オーナーの生井さん。自身の母親が入院し介護が必要となった際に、入院中たえず「髪がうっとうしくて早く美容室に行きたい」と訴えていて外出したとき真っ先に向かったのが美容室だった。病床でも、美に対する意識は持ち続けているのだと実感したことが訪問美容を手がける動機のひとつになった。多くの人が気軽に利用出来るようこの活動を広げていきたいという。

 スタッフの春村さんは訪問美容について、「美に対する意識は、年齢に関係なく誰もが持っていると思います。白髪が目立つようになると、人に会いたくない、外出が憂鬱というお客さまが多いです。また、身体の具合が悪くなってしまうと、もうお洒落しなくてもいいやという気持ちになってしまいがちですが、髪をきれいにすることによって、お出かけしようかなという気持ちになったりお友だちに会いたくなったり、何歳になってもきれいになれることやおしゃれをする事の楽しさを実感し、気持ちが豊かになると思います」と話す。

 「訪問美容をすることにより、美容師の意識も変わっていくと思います。高齢者や身体の不自由な方の美容を担当させていただくことにより、若いスタッフたちが技術的だけでなく、現場で感じることも多いので仕事の幅も広がり、人間的にも成長できると思います」と生井さんはスタッフにも新たな期待をかける。スタッフのみなさんは介護福祉士の指導のもと、車椅子の操作などを勉強し、「介護についてこれまで知らなかったことがたくさんあった」と少なからず痛感したようだ。

 『ラ・フィエスタ』では、カラーリング剤に「ヘナ」も使用している。髪質にこだわりたい顧客と色味を重視したい顧客ではカラーリング剤も異なる。白髪のパーセンテージによってもカラーリングは異なってくる。また、病気や怪我、年齢などにより、施術も1人1人異なる。このため、毎回丁寧なカウンセリングをしてしっかりカルテをつけることを心がけているという。そういった髪の悩みや、細かい個人個人の美容カウンセリングは、訪問美容でもサロンと同様によりきめ細かく受けられる。

 訪問美容は、高齢者や介護を必要とする人に限らず、乳幼児を抱えていて外出が難しい女性や妊娠中の女性、一時的に店舗まで通院できないなど今まで病気や怪我などで美容を諦めていた人も利用できる。
 費用は通常の施術料に約30%ほどの出張料が上乗せされた程度。区の補助券の利用もできる。まずは、自身の体調に合わせて、希望するスタイルやサービスを気軽に相談、問合せしてみてはいかがだろうか。

■問合せ=TEL.03・3467・4652 美容室ラ・フィエスタ
















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