 |
 |
世田谷文学館・世田谷美術館共同企画展
都市から郊外ヘ
1930年代の東京
|
 |
稲壇知雄《芝生》
I933年、世田谷美術館蔵 |
企画趣旨
1930年代は世田谷区にとって、誕生と発展のエポックとなる年代であった。1932年、荏原那町村の東京市編入で「世田谷区」が誕生し、36年には砧村、千歳村の編入により、現在の世田谷区の姿をほぼ形成する。
同時に、緑豊かな農耕地と多摩川流域の自然を残しつつ、鉄道網の発展や教育機関の展 開から都市人口増大の受け皿としての郊外住宅地として発展していくこととなった。都市の拡大とともに、生活と創造の拠点を求めて数多くの文学者、美術家が移り住み、さらに、新しい制作システムの映画撮影所も建設されていく。
これにより、都市の生活様式と田園の風景とが結びついた、郊外特有の新しい生活と文化が育くまれていった。
本展覧会は、文学・絵画/彫刻・写真・版画・映画・音楽・広告・住宅の8つの芸術ジャンルによって、郊外の生活文化の姿を解き明かす。これらのジャンルを俯瞰(ふかん)して重層的にとらえることは、東京の1930年代を郊外から照射し再検証することともなるだろう。
|
|