「抽象の風U」

 人物や風景などが具体的に描かれていない、一般的に「抽象」と呼ばれる美術作品を、「分からない」と敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、現実に存在する事物を抽象化することで、より深く本質が現れたり、あるいは実態ではなく概念的世界を示そうとする時、「抽象」は、美術表現において、むしろ広大で自由な領域です。
 たとえば自然の摂理や、宇宙の無限性、人間の心底に潜む複雑な心理など、私たちが日頃感じている奥深い、ある概念を視覚化しようとする時、「抽象」は非常に有効な表現手段と成り得るのです。
 具体的な「かたち」や「色」でとらえきれない世界を探求することで生まれてきた抽象的な表現に対峙し続けた作家、堂本尚郎、桑原盛行、堀内正和などによる約15点の作品を通じて、その表現の幅広さや、豊かさを感じていただければと思います。 
   【写真左】
堀内正和《しかく》1958年

【写真右】
桑原盛行《萌芽の構造 1999-3》1999年
「抽象の風U」
会 期 2012年10月2日(日)〜2012年3月20日(火・祝)
休館日 毎週月曜日(ただし休日と重なった場合は翌日)、年末・年始(12月29日〜1月3日) 
 開館時間 午前10時〜午後6時(入館は5時30分まで) 
会 場 世田谷美術館分館清川泰次記念ギャラリー(〒157・0066東京都世田谷区成城2-22-17)
アクセス 小田急線「成城学園前」駅南口から徒歩3分
観覧料 一般200円(160円)、大高生150円(120円)、中小生100円(80円)、65歳以上及び障害者の方100円(80円)
※( )内は20名以上の団体料金。小・中学生は土・日・祝日無料。
問合せ TEL.03-3416-1202
清川泰次記念ギャラリー

清川泰次記念ギャラリーは、独自の抽象表現を探究した画家・清川泰次(1919-2000)のアトリエ兼住居を改装し、2003年11月に、区民ギャラリーを併設した世田谷美術館分館として開館しました。アトリエとして使われていた天井の高い空間では、これまで清川泰次の作品を定期的にご紹介してきました。

















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