ベンジャミン・クレーム(写真)
「講演ビデオ上映会に参加して


 会場に着くと、ご年配の方の姿がちらほら。お互いに声を掛け合い、交流していた。会話から察するに、はじめて来たという人、たまたまチラシを手にして来た人など、ここ成城のご近所に住む方だけでなく、狛江や下北沢の方から電車でやってきた方も多いようだった。私自身、今回のビデオ上映会の話を聞くまで、ベンジャミン・クレーム氏の名前すら知らなかったし、彼がどんな人物か、どういった活動をしているのか、そして今回の上映会で聞く講演会はどんな内容の講演なのかの情報が全くなかったのだが、聴講に来ている方々も同じように、縁あってこの会場に足を運んだようだ。

 この会は、ベンジャミン・クレーム氏が編集長をつとめる月刊誌「シェア・インターナショナル」を日本で購読し、翻訳を行っている団体の中の有志の方々が開催したもので、昨年5月8日に名古屋で行われた同氏の講演を収録したビデオを上映するという会であった。

 彼は基本的に自身の講演会を無料で開催し、無報酬での講演活動を行っている。今回のビデオ上映を開催した方々も、彼の思想を知ってもらいたい、広めたいということのようで、入場無料、あくまでも情報を伝えるという趣旨のもと、勧誘は一切なしということであった。

 上映会で鑑賞したDVDは3本で、1本は彼の昨年の講演会の、もう1本は「星」についての、最後の1本はミステリーサークルについてのものであった。会は13時30分から開始して、全体で約一時間半ほどであった。
 司会の方の挨拶とともに会が始まると、まず初めにベンジャミン・クレーム氏の昨年名古屋での講演の模様を収録をしたビデオの鑑賞。このビデオ(講演会)では、主に彼の情報が紹介されていた。彼は自身の考えを「予言のようなもので、科学的にそれを証明する証拠のようなものは存在するわけではない」と言及したうえで、静かな口調で語り始めた。

 彼の話によると、世界は宇宙の変化による影響をおおきく受けており、宇宙は私たちの世界がより良い方向へ発展するのに大きく貢献しているのだという。現在の私たちの世界は2種類に分裂していて、一つは新しいものや変化を恐れる、2000年あまり続いた古い文明、そして昔の人々の世界であり、もうひとつはこれまでの仕組みに反発する、現在誕生しつつある新しい文明、若い人々の世界だ。そのような現在の世界にはすでに「全人類の教師、世界教師」としての存在である「マイトレーヤ」が降臨し、公の出現に向けて人類からの招待を待っているという。イエス・キリストやブッダなど、過去歴史上において存在した「偉大な人物」はすべてその当時のその地に現れ、世界教師の役割を任された人物であった。そうした全人類にとっての教師が、各時代の始めに必ず再降臨する、という話であった。
 そうした覚者方と言われる人々はたくさん現在進行形で各地に出現し始めていて、実際、何年、どこに何人の世界教師が生まれたかという話も講演の中に出てきた。

 面白い持論「UFO」

 また、UFOについても面白い持論を展開していた。政府はUFOのリアリティを否定してきたが、UFOの乗組員は実は人類を助けに来ているのだという。彼らはこの世の否定的なものを肯定的にしようと活動していて、新技術を作ったり、放射能の浄化等をしてくれているという話だった。その中で原発の危険性が指摘されたり、「世界最大の殺戮者は汚染である」といった言葉が出てくるなど、現在の日本において生活する私たちにとっては切っても切り離せない話題に触れる内容もあった。
 そうしたなかで、平和が何よりも大切で、平和の問題を解決するためのヒントを世界教師、マイトレーヤは教えてくれるのであって、私たちが行動しなくてはならないのだ、という力強い言葉もあった。

▼ベンジャミン・クレーム氏の講演ビデオは途中から再生に不具合が生じ、会全体に集中することはできず消化不良のようになってしまったが、参考にと彼の思想をざっくり紹介した小さな冊子などが無料配布で置かれていたのは、そうした意味でもこの会の補足になってよかったと思った。

▼何かに対する考えを発信したり、他人に伝えたりというのはすごく難しいことで、しかもこうした「宇宙」や「世界教師、マイトレーヤ」、「UFO」、「平和」などといったことに対する思想というのは、いろんな誤解を生じたり、伝えたいことがそのまま伝わらなかったりと、なかなか声を大にして言えないことでもある。
 ましてそのような内容となると「宗教団体」という良くも悪くも様々なイメージの付きまとう言葉が浮かんでくることが必須で、思想の伝達活動というのはかなりデリケートな問題であるように思う。
 私自身、会場に入ってから内容について深く知り、開始前はどこか身構えるような部分があったのが正直なところだ。しかし、再三繰り返されたように「宗教団体」ではなく「教えを伝える団体」なのだということ、実際に勧誘活動のようなことが一切なかったことから、あくまで一つの考えを提示している、その活動をしている団体なのだ、ときちんと理解することができた。

 後 記

 人はこの世界を自身の五感で得られる刺激のみをもって「世界」と定義しているようであるが、「世界」には人が刺激を得られる世界と得られない世界がある。
 得られない世界には極小・極微の世界があり、この方面はサイエンティストにより電子機器なども重用して研究が格段に進み徐々にその世界は拡大しつつありさらなる未知分野への探究・探求が進められている。
 対し、極大方向についてはその世界が存在しているはずにもかかわらず解明されない。理由は簡単で探究・探求のための機材が極小方向に比べその規模に対し圧倒的に追いつかない。しかし探究心旺盛な人々の心は燃え盛る。時に大きな夢を語り時に推理を楽しんで。
 ベンジャミン・クレーム氏の講演を「科学性」で捉えて聞いてみるのも面白いのではないか。
 
 今後もビデオ上映会は企画されており、すべては入場無料で開催されるという。興味がある方はぜひ、ご自身の目で、耳で、この「世界教師」という考えに触れてみてほしい。
      (田伏案山子)

















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