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開館1周年記念特別展
「日本画と洋画のはざまで」
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明治時代、文明開化を迎えた日本では、西洋からの油彩画が入ってくると同時に、それまでの日本古来の絵画を「日本画」、西洋画の材料・技法を用いた絵画を「洋画」として区別をするようになりました。しかし、必ずしも「日本画」と「洋画」は相反する芸術として存在したわけではありません。両者は互いに影響を与えながら時に歩み寄り、時に乖離(かいり)しながら、それまでの時代にはなかった新たな様式を確立していきました。
大正から昭和の時代になると、さらに多くのヨーロッパ絵画が雑誌や展覧会を通して日本国内で紹介され、海外留学などにより西洋画を学んだ洋画家が西洋画法を用いて日本の文化や風俗を描くようになります。こうした動きは、日本画壇にも大きな影響と刺激を与え、竹内栖鳳、速水御舟、小林古径ら日本画家の作品にも西洋画からの影響が表れてきます。
一方、日本画家と洋画家たちの交流は、それぞれの技法への関心を高め、岸田劉生、梅原龍三郎、高橋由一ら洋画家が、日本画の画材や技法に関心を持ち、自らの作品の中にそれらを積極的に取り入れた事実も注目に値します。
本展覧会では、日本画と洋画の作品約75点を比較展示し、「近代化の中の日本画」「ヨーロッパからの感化」「日本画vs.洋画」「日本画と洋画の交錯」「劉生と御舟」という5つの視点から、それぞれの作品が「日本画」と「洋画」のはざまで揺れ動くさまを探ります。
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