1:肖像写真(家族の肖像、芸術家の肖像) ティオリェは自分の家族、親類の写真をはじめ、交流のあった芸術家たちの写真も残しています。当時の人々の暮らしぶりを知るうえでも貫重なものです。今回は交流のあった画家たちの作品も、出品されます。

《フェリックス・ティオリエ》
ゼラチン・シルバー・プリント、1880〜1910年頃 |
4:工業化の時代
19世紀末は産業革命が始まった時期でもあります。ティオリエの生まれ育ったサン=テティエンヌには炭鉱と鉄工場があり、この「新たな時代の到来」を数多く撮影しています。

《サンテティエンヌの工場で働く労働者たち》
ゼラチン・シルバー・プリント、1880〜1910年頃 |
2:パリの風景(パリの街角、パリ万国博覧会)
多くの芸術家を魅了した19世紀末のパリの街角風景。そして、バリっ子が熱狂した1900年開催のパリ万国博覧会の風景が克明に写し出されています。

《パリのセーヌ河岸と
ノートル・ダム大聖堂》
ゼラチン・シルバー・プリント、1880〜1910年頃 |
5:ティオリエの愛したフランス (水の風景、巡礼の地、村の風暴、美しきフランスの自然−ヴェリエール、プレシヴェ、サン=テテイエンヌ)
ティオリエの作品の中心を占めるのが、フランス各地を旅行し撮影した圧倒的な数の風景写真です。いずれも絵画的な風情を湛えていますが、交流のあったコローなどの影響をここに見ることができます。

《ノルマンディー地方ルーアン近郊のセーヌ川》 ゼラチン・シルバー・プリント、1880〜1910年頃 |
3:農村に暮らす人々
ティオリェの別荘があったフォレ平原やサン=ジェルマンーラヴァル、そして研究の仕事の場としたヴェリェールの館周辺は、19世紀末には穏やかな農村風景が見られました。

《ヴェリエールの庭のエマ・ティオリエとティオリエの孫たち》
ゼラチン・シルバー・プリント、1880〜1910年頃 |
6:色彩の世界へ(オートクローム)
世界初のカラー写真といわれるオートクローム。ここにもティオリエらしい絵画的な世界が広がっています。また、写真史的にも貴重な作品です。

《ヴェリエールのタチアオイに囲まれたティオリエの娘》
オートクローム、1880〜1910年頃 |