荷風スタイルには今を生きるヒントがある

『ふらんす物語』や日記『断腸亭日乗』などで知られる永井荷風は長い間、愛読者たちに熱狂的に支持されてきました。また荷風は、作家や評論家たちによって様々な視点から論じられてきた特異な作家でもあります。その一方、荷風は専門家や愛読者以外にとっては遠いひと、のイメージを越えることはなかなかできない存在でもありました。
そんな中、画期的な荷風論が05年に登場しました。持田叙子の『朝寝の荷風』です。持田氏は、現代社会に生きる人々の共通点を多く持つ先駆者(しかも現代女性との共通点の多いこと!)としての荷風像を諭じ、「荷風文学には、今を生きる人々にとっての多くのヒントがある」と提言しました。
今や居住地域に関係なく、都市的独身生活を満喫する人々。望むと望まざるとに関わらず、当たり前となった一人だけの老後を過ごす人々。荷風は、現代人が直面している「一人で生きること」ヘの処世術をいち早く体現しました。荷風は今こそ読んで為になる作家であり、「文学なんて関係ない」と思う現代人にこそ出会ってほしい作家なのです。
本展は、永井荷風と現代社会に生きる私たちが出会うための展覧会です。40年余りにわたって書き続けられた日記文学の傑作「断腸亭日乗」自筆稿本や、一人暮らしを支えた身の回りの品々、また、今回初公開となる小堀杏奴(森鴎外次女)あての書簡など多彩な資料を展示いたします。そのライフスタイルや作品をじかに体感し、シンプルライフのレッスンをはじめましょう!(写真:偏奇館にて)
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開催期間 |
2008年2月16日(土)〜4月6日(日) |
開催時間 |
10時〜18時(入場は17時30分迄) |
定休日 |
毎週月曜日 |
会 場 |
世田谷文学館(世田谷区南烏山1〜10〜10、京王線「芦花公園」駅徒歩5分) |
観覧料他
詳細問合せ |
TEL.03・5374・9111(代表)/FAX.03・5374・9120 |
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