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岸田劉生「麗子立像」49.8 X 33.5p 紙/水彩 |
今回の収蔵コレクション展「秋の装い」では、当館の収蔵作品約700点の中から、秋をモチーフにした作品を中心に展示いたします。
一階展示室では弦田英太郎の作品「挨拶する舞妓」をメインに、藤田嗣治「椅子に座る少女」、荻須高徳「ポスターのあるべルビル風景」、梅原龍三郎「北京水中亭」などの他、シャガール、ルノワール、ピカソなどの作品もご紹介いたします。
二階展示室では、松村公嗣「野分」、奥田元宋「月下細瀑」、平山郁夫「月下らくだ行」、稗田一穂「高原秋風」、加山又造「木枯」等の日本画を展示いたします。
また、今回特別展示として、岸田劉生の「麗子像」を展示いたします。岸田劉生は娘の麗子をとてもかわいがり、その姿をあらゆる技法を用いて絵の中に留めてゆきました。
当館では「麗子立像」、「麗子洋装之図」、「麗子」(座像)の水彩画三点を収蔵しております。どれも画面の中に制作年月日が作家自らの手により記されており、特に「麗子立像」は、麗子が6歳(数え7歳)の年に描かれたもので、目を細め、ややうつむき加減でたたずむ着物姿の麗子が実にほほえましく描かれた作品です。この作品の画面下部には、当初生い茂る草が点々と描かれていました
が、長い年月の間に絵の具が退色して、その模様はほとんど見られなくなりました。麗子の立ち姿が描かれた最初の作品としてとても重要な作品です。
この機会に是非ごらんください。 (長谷川町子美術館 官報07-09より)
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