
三味線を習いたいという女性が多い。
「今習いたいもの」のナンバーワンが男性のバンドに対し、女性は三味線。
「音色が好き」「持ち運びが楽で1人でもできる」「着物を着るチャンスもありそう」「昔、母がやっていた」等々がその主な理由だという。
「お稽古は通いやすいところ」という意見もあり、下北沢駅南口1分と便利な本多劇場のビル3階にある三味線・長唄の教室「杵徳会」をお訪ねした。
「これから三味線・長唄のお稽古を始めたい人はどうすればよいのですか」
その「杵徳会」の家元、杵屋徳衛(写真)さんに伺った。
「稽古とは人生を2倍生きることですよ。新しいことを教わることは、自分に新しい世界を持つことになるのです」
三味線の音色は「情景」を描写し、長唄は「情念」の世界を表現してゆく。
「三味線・長唄のお稽古で、美しい立ち振る舞い、礼儀、マナーなどの所作が自然に身について、歩き方も変わってきます」
三味線とバチは昔から原型に近い形を今にとどめている。それを弾くのは人の手の技術。
ところが三味線の「楽」はそれだけではできない。日本の四季に育まれ日本人の血の中に受け継がれてきた感性と、人・心技がひとつになって、美しい唄と相まって、聞く人を、次元の異なる世界に連れて行ってくれるよう表現してゆくのが「楽」。
「稽古は一回一回の積み重ね。薄い紙を1枚1枚重ねていくように努力が重なっていつしか必ず弾けるようになりますよ」
杵屋さんはさらに、 「稽古ごとは相性というものが大切です。『師匠』という字は文字通り『匠(たくみ)』の師。生徒さんにあわせて指導してゆきますが、志があっても人と人の間のことですから合わない場合もあります」
杵屋さんは心底、三味線・長唄の世界を広げてゆきたい。折角志を立てて門を訪れた人がそんなことでやめてしまうのは心残り。他の師匠の教えも受けられるように気配りしている。ご自身の「杵徳会」の場合入門料の納入は気持ちの定まる3ヶ月後まで待ち、その3ヶ月間の月謝は2000円割り引くと定めている。
「プロと名乗るものとして長唄・三味線の発展に責任があり、1人でも多くの人がこの道に入り、究めてほしいと願っています。まあ堅く考えないでいっぺん教室の見学にきてみてごらんなさい」
三味線・長 唄 教室 杵徳会 |
新規募集:初心者・上級者 |
下北沢駅前(本多劇場ビル3F) 吉祥寺ビルロンロン西口出口1分 |
TEL.03-5454-0338 |
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