在宅介護者に訪問美容
少子高齢化、バリアフリ、共生社会、などのキーワードが聞かれる近頃、美容室ラ・フィエスタではこの5月から「訪問美容サービス」を始めた。現在東京23区全区で実施されている訪問理美容支援制度に足並みを揃えた形だ。
世田谷区の場合、サービスが開始されたのは昭和61年4月から。サービス対象は、世田谷区在住で美容室に行けない65才以上要介護3〜5、障害者手帳1・2級、愛の手帳1・2度の方。
訪問美容について、 「おしゃれをして綺麗になるのが一番の楽しみ。いつまでもそういう精神を忘れないようにしようと思います」という60代。いつ自分自身がそうならないとも限らないからという切実さが伝わる。
ある在宅介護中の家族は、「以前おばーちゃんを美容院へ連れて行ったとき洗髪してもらった後、『あーさっぱりした』と喜んでいたので」。
「家族に見せる顔と他人に見せる顔はちがいます。よそ行きの顔を作るにはかなり努力が要るでしょう。それが介護者にいい刺激になると思います」とは医者の立場から。
障害者の場合、昨年12月に国連総会で全会一致で採択された障害者の権利条約がある。締結国に原則「インクルーシブ教育」を求める内容で教育現場ではインクルーシブを志向せざるをえなくなっている。(インクルーシブは英語で「包み込む」の意味。自分のできないことや苦手なことを他者の手で補いながら生きていくこと)
訪問美容を始めた「美容室ラ・フィエスタ」代表の生井さんは、
「今年の一月に骨折で入院した母が『退院したら真っ先に美容室へ行きたい』というので女性のおしゃれは元気の素だと実感致しました。美容を通して多くの方に喜んで頂けるようにしていきたい」と語る。 |
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