各人に合ったスポーツを
健康体操、エアロビクスからアスレチッククラブまでスポーツ産業は大はやりですが、スポーツと病気はどんなかかわりがあるのでしょうか。
一般的にスポーツ=健康という図式でとらえられているが最近の一流選手の激しい動きそみていると、一概に体によいことをしているとは言えない。大相撲の貴花田の父親である藤島親方は、現役時代は軽量大関として大活躍していた。引退式後のインタビューが印象的だった。「引退した事は寂しいが、これからは無理に食事をしたり、酒を飲んで体重を増やさなくてもよくなったのが一番うれしい」と語っていた。
相撲や体操、競馬のような体重。ラグビーやボクシングのような体カ。短距離走、テニスなどのような瞬発力。マラソン、長距離水泳のような持久力。ゴルフのような集中力。そのようにスポーツの種類で要求される体力、筋力、精神力は違ってくる。一流選手になるには人並みはずれた体力、筋力、精神力を養うために、健康を犠牲にしてでもトレーニングに励むこともある。しかし、健康の増進、維持、回復が目的である一般人は、一流選手がしている事をまねることはない。
一般に行われているスポーツは他人にとって良いスポーツでも自分にも良いとは限らない。余暇にゴルフ、ジョギング、ハイキングなど何かスポーツをしている人は、テレビの前でカウチに寝そべり、スナック類を食べている「カウチ・バリバリ族」に比べ、心筋こうそくを起こす頻度が2分の1であり、糖尿病、肥満にもなりにくいというデータがある。
また、40歳を過ぎての「カウチ・バリバリ族」は、学生時代にスポーツで体力を鍛えていた人も、勉強ばかりして脳力を鍛えたものの体カ作りに熱心でなかった人も、同じように健康を害し余命を短くしてしまうというデータもある。これらのデータをみる限り、いつの年代も現在ただいま頭を使い、心を使い、体力を使う事が健康の増進、維持、回復の“こつ”である。
では、自分は何をしたらよいのか。それは百人百様、毎日通勤時の速歩や階段昇降、トイレに行った時の屈伸運勤、子供とのボール遊び、就眠前の夫婦体操などでもよい。もちろんスポーツ・クラブに入って頭や身体を使うことでもよい。自分の今までの経験、趣味、体力を生かしたスポーツらしきことを、自分で見つけることである。そして、根気よく、楽しく、続ける、ことである。
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