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[上演にあたって] 永井愛と高畑淳子。演劇界で注目を集める人気作家と実力俳優。 この2人が初めて出合った。演劇ファン待望の組み合わせが実現した。 ![]() 『パートタイマー・秋子』は、永井愛氏が、2003年に青年座に書き下ろした作品です。 本作が初演された2003年は、狂牛病に始まり、鳥インフルエンザや中国製品の農薬残留問題など食品に関する問題がテレビや新聞を賑わしていた頃です。関連する企業の不正が明らかになったり、スーパーマーケットでは、食品の産地偽装、表示ラベルの張替え、内容量のごまかし等、様々な問題が噴出していました。 劇作家の永井愛さんは、企業やスーパーマーケットの営利主義やモラル低下が問題にされる一方で、そこで働く従業員やパート主婦は、どこまで認識してどのように関係しているのかに着目しました。そして、私たちはスーパーマーケットの取材活動を進めるうちに、そこで働く人々の実態を知ることになったのでした。 このドラマは企業やスーパーマーケットの不正の告発を目的としたものではありません。スーパーの従業員控え室を舞台にパート主婦たちの人間模様を描いた社会派コメディです。 そして今回、大阪では初めての青年座+毎日放送の主催公演となります。創立からずっとこれまで、青年座は大阪労演との結びつきが強く大阪で手打ち興行を催すことはありませんでした。新しい観客との出会いを求めての挑戦です。どうぞご注目下さい。⇒公演概要 ●劇団青年座 1954年、俳優座の準劇団員であった森塚敏、東恵美子、山岡久乃、初井言榮ら10名のメンバーが日本の作家が書き下ろした作品の上演を目的として創立。以来『創作劇の青年座』として数々の書き下ろし作品を上演しつづけてきました。翻訳劇全盛期の創立当時は、創作劇上演自体無謀な行動であり、劇団存続を危ぶまれました。 しかし、10人の創立メンバーの意志は強く、創作劇の上演を重ねて確実に次代に受け継いできました。劇作家も椎名麟三、三島由紀夫、八木柊一郎、矢代静一、宮本研、水上勉など時代と共に範囲を広げ、最近では、マキノノゾミ、鐘下辰男、坂手洋二、永井愛、松田正隆、土田英生、福島三郎という新世代の劇作家との舞台を次々と発表しています。青年座の「創作劇上演」は日本の演劇状況をより活発に、新鮮に塗り替えていると自負しています。
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