『カゾク カレンダー』       劇団青年座

 
 『カゾク カレンダー』は、東京の郊外に住む船越家の、バブル全盛の1988年から経済の陰りと急落の2003年までの5年毎の生活の軌跡を描く。

 (第1場…1988年、第2場…1993年、第3場…1998年、第4場…2003年)この15年間は、経済の大変動が社会を大きく変動させた時代です。
 その時代の動きは、父秀男、妻千寿子、息子秀明、娘佐織一人一人にとって、人生の決断と行動を迫られて、揺れ、悩む激動の年月である。

 時代の波を全身に受け、なんとかその出口を見つけようとする家族たち。
 一人一人が別々な方向を向き、自己実現に躍起となる時代から、人生をどう生きるかを模索し、やがて生きる希望と家族として、人間信頼の絆を確かめあうこととなる15年はこの時代を生きる人々の共通の思いと揺ぎ無い指針になることに違いない。

 10代後半から現在までの15年間、藤井清美の眼で見詰めた<時代と人間の姿>を、社会の矛盾と翻奔される人間、そしてやがてその矛盾から脱却し、自らが選び歩もうとするその核心を、この作品で表現していくものである。

 これは船越家の人たちが身をもってしるす過去と未来、カゾク カレンダー。
 新星藤井清美の青年座初書き下ろし作品。


 【あらすじ】

 1988年12月、東京郊外船越家。今日はローン繰上げ完済パーティー。家族のために建てたこだわりの注文住宅、それは父秀男が必死に働いた証。定年を控え、ようやく訪れる穏やかな生活……。全てはうまくいくはずだった。

 だが今、妻千寿子は親の介護を口実に実家に戻り、息子秀明はアパート暮らし、娘佐織と二人住い。それでも今日は、妹佳美も訪れて家族が集まる。久々の団欒。だがそれもつかの間、妻、息子、娘は次々と爆弾宣言を始める。壊れはじめる秀男のライフ・プラン。どこで、道を違えたのか……。

 5年、そして10年……そして2003年。船越家の人たちは揺れ、悩み、そして決断し、そして日本は動く。
 父、母、息子、娘。夫と妻。それぞれを繋ぐ絆は、弱く強く、ねじれ縒られ、一人一人の新たな色が浮かび上がる。自分が選んだ人生を歩み、立ち止まり、突っ走り、倒れ、何かが生まれてくる……。
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