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「CVRチャーリー・ビクター・ロミオ」 隣光群 |
コックピット・ボイス・レコーダー(Cockpit
Voice Recorder)−−略 してCVR。
CVRは飛行機事故の原因究明のために、事故現場からまっさきに回収されるブラック・ボックスのこと。
「CVRチャーリー・ビクター・ロミオ」は、実際に起きた6件の飛行機事故のCVRに残された記録を「再現」
し、極限状態における人間の心理をリアルに描きだした作品です。1999年NYで初演、演劇界のみならず航空関係者・医療関係者などの注目を集めロングラン、現在もアメリ力国内・海外でツアーを継続中。また、このオリジナル版を収録したビデオは、様々な危機管理教育や米空軍の乗組員訓練のための授業に採用されています。
昨夏、オリジナル版を創作したコレクティブ・アンコンシャスの演出家たちと音響デザイナーが来日、日本語版台本も担当した坂手洋二との共同演出により日本版を製作・
初演。演劇の枠を越えて圧倒的な反響を呼び起こした舞台が、ふたたび登場します。
【註】コレクティブ・アンコンシャス(集団:無意識)=NYのロウワー・イーストビレッジに拠点をもつ、アーティストの共同体。様々なアーティストたちが演劇、パフォーマンス、美術などジャンルを越えた実験的な作品を発表している。
コツクピツト・ボイス・レコーダーに見える真実とは?
−−最後まであきらめずに、乗客を救おうと知恵と力の限りを尽くしたパイロット、すべてのコントロールを失った状況でもユーモアを忘れなかったパイロット、長年の経験をつぎ込んで機長を補佐したジャンボ機のフライト・エンジニア…。「CVRチャーリー・ビクター・ロミオ」には、架空の人物も、夢のようなおとぎ話も登場しません。
しかし、ここには、実際に今の時代を生きて、私たちを大空に羽ばたかせてくれた、航空のプロたちの「真実の物語」があります。
−−人は極限状態にあるときに、どう他人と関わり、どんな反応をするのか−−
−−人間は最後まであきらめず、ここまで職務に忠実になれる−−
−−このテクノロジーの時代を生きる人間として、私たちにできることは−−
実に多くの教訓を、「CVRチャーリー・ピクター・ロミオ」は私たちに投げかけます。
「CVRチヤーリー・ピクター・ロミオ」ヘの反応
▼緊迫の会話が生む重い衝撃。すさまじい一時間半だ。芝居を見ているというよりも、墜落をくい止めようと悪戦苦闘するパイロットたちと一緒に飛行機のコックピットに同乗しているような錯覚を覚える。「中略」85年、御巣高山に墜落した日航機の事故も登場する。アメリカ版では4分程度だった場面が、ここでは18分に拡大して猫かれ、重い衝撃を残す。事故の解釈を観客にゆだねる構成がいい。−−朝日新聞演劇評論家 扇田昭彦
▼何という緊迫!危機にうち勝つ人間の精神と、混沌のさなかの冷静さを描ききった。ふるえるほどリアルだ!
「ドキュメンタリー演劇」への最高に強烈な貢献−−ニューヨーク・タイムズ
▼乗員相互間の関係を見事に描き出した。6つの飛行機事故で、それぞれ実際に何が起きたかを再現している。絶対に見逃せない。−−ジョン・バールジェン少佐/米空軍グローバル作戦訓練責任音/米国防総省
▼もっともセンセーショナル(扇情的)では無いやり方で、不安な体験を、カ強く、観客の心と意識に刻みつける−−スター・トリビューン(ミネアポリス)
公演概要⇒
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