「裏日本」 〜大きな波に乗るがいい〜     猫のホテル

 上演にむけて

 このところ、いわゆる“裏モノ”が氾濫しているようです。当事者だけが知りうる内情や暗黒世界を告発する事など、いつの時代でも求められてきた事でしょう。

 しかし昨今のそれは、ちょっと趣がちがうように思います。人に受けたい、人を笑わせたいという一念から物事の裏側を探ってみる。
 掘り起こしてみると、これが結構パカパ力しい。

 ならばあれもこれも裏でいこう。
 その結果の裏流行。
 まさに面白至上主義が生んだ流行です。

 かつて裏日本という言葉が差別的意味合いを含んでいるとして、使わないようにしていた事実も滑稽に思えてしまうではありませんか。
 けれども今回のタイトルは、そんな風潮を皮肉るつもりでつけたわけではありません。ヒト・モノ・カネの供給地としての歴史に想像力を強く刺激され、尊重する気持ちをこめてつけたのです。

 そして面白いという事がこれほど求められ、裏日本という言葉が持っていたある種の暗さを消してしまうほどカを持つならぱ、人間ひとりを面白くさせる要因は果たして何なのか?私はこの芝居を通して考えてみたいと思うのです。


 『裏日本〜大きな波に乗るがいい!〜』

 日本海側の海に程近い小さな町。やけに人の少ない静かな町。国道沿いには大きなパチンコ店と古びた焼肉屋。食堂なのか民家なのか民宿なのかはっきりしない建物もある。もちろん力ビくさいスナックも。ありふれた地方の風景が永遠のように思える町。

 かつてその町を出て、東京で国民的人気ロック歌手となった男がいた。男が自分のルーツをいいようにねじ曲げてでっちあげたので、親類縁者友人達はひとつの協定を結んだ。
 「本当の事は語らぬこと」

 そうして日々が過ぎ、町がゆったりとした時間を取り戻した頃、一人の旅行者がやってくる。好奇心旺盛なコピーライターだったことから、やがて町は色めき立つ事になる。

 国民的人気のロック歌手の周辺を、猫のホテルフルメンバーで描き、人ひとりを面白くさせる要因を探ります。

 2003年の上半期、外部への客演や映像出演などを経て、一層アブラののった役者陣にどうぞご期待ください。
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