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「THE地震展」特別フォーラム「耐震補強は地球を救うか」 |
14万3千人の死者・行方不明者を出して80年が経過した関東大震災、発生からやがて10年になる関西大震災、ごく最近では宮城沖地震。世界の陸地の0・3%にも満たないこの国に世界の地震の約10%が集中している日本という国。
国立科学博物館で今開かれている地震対策フォーラム「THE地震展」は、地震対策に常に取り組まなくてはならない『地震大国・日本』人に役立つ情報の大展示会だ。
その一環、特別フォーラム「耐震補強は地球を救うか」が9月14日、「産官民学あげて地震を迎え撃つ」という初の試みで、同館2階で開かれた。
パネリストは、自宅を耐震構造に改築したという主婦の【小田順子さん】、田園都市線沿線地域を開発してきた東急建設株の【寿乃田事業開発本部長】、助成制度を設け既に数百軒の耐震補強実例があるという静岡県防災局の【小澤防災情報室長】、宮城県でDSG耐震システムを14棟手がけその後発生した宮城地震ではその14棟すべて無事だったという体験をしたNPO法人日本耐震防災事業団【小口理事長】、震災対策のハード・ソフトを探りその啓蒙に努める東京大学都心震災工学科の【目黒助教授】、行政府を代表して内閣府防災担当【渋谷企画官】の6氏。
フォーラム全体の底流には耐震補強に対する一般市民など民間の意識高揚や改革を求める流れがあった。
寿乃田本部長は耐震補強に関わるコーディネーター不足を取り上げ、始めはアシスタントでもスキルアップが見込めるフリーターの活用を提案した。
目黒教授は、具体的効果が見えないことが防災認識が進まない理由だとし、一般市民はもとより行政、政治家、エンジニア・研究者のイマジネーション能力をアップし災害時に具体的にイメージできる人をあらゆる分野で増やしていく必要性を強調した。
役所の応援を求める声に渋谷企画官は、耐震化の問題は「中央防災会議」ではいの一番に上げられるが「今困っていない」との当事者の認識が進展を妨げていると述べた。その上で町会や商店会、NPOなど地域で「自分たちのために」という力の湧き上がりが必要であり、それなしに行政が先に予算取りして進めるのには限界がある、との認識を示した。
こうした中、小口理事長は『耐震構造のスタンダード』を設けるなどの制度改革の必要性を提言した。
主婦小田順子さんの「施工前には恐怖感、施工後は安心感を与える業者の感じ≠ノよる耐震普及では一般市民はその必要性を認めていても地震なんか来ない=i小田さん談)で終わってしまう、と小口理事長のスタンダード化に同調した。
具体的な制度改革として、耐震構造建物には固定資産税相当分減額(小口理事長)、「技術だけではなく子供・女性を仲間に入れるべき」(目黒教授)など実効性に優れると思われる提案も上がった。「母親が子供に耐震構造されていない家には遊びに行くな、と言えるようにしたい」(渋谷企画官)とのジョークもが飛び出すと会場は大爆笑。
渋谷企画官の、「防災問題は明日のこと」を「今日の話として捉える」には如何にすべきか、といった課題を上げたのを最後に、今回のフォーラムは終了した。
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