歌舞伎フォーラム公演、小芝居復活

 来年の9月、江戸東京博物館歌舞伎公演10周年になるのを前に、「舞台創造研究所・析の会」では、「日本の誇る伝統芸能、歌舞伎を若い人々に伝えていこう」と、今年3月に続き来年3月の「歌舞伎フォーラム」上演を決めた。

 今回は小芝居の名作「弥作の鎌腹』と大曲「日高川」を、まぼろしの振付、人形振りそして宙吊りの演出で復活する。

 歌舞伎には「小芝居」、「大芝居」、「地芝居」がある。
 地芝居は小芝居に地方文化を提供し、小芝居は提供された文化を熟成させ、大芝居へ伝える。大芝居は更にそれを芸術の域まで発展させ完成させる。そしてその技術、芸術性を改めて小芝居に伝え、地芝居へと伝承していく。この“循環型文化交流”によって歌舞伎は完成された。
 しかし世界最高峰の技量を持ちながら、外国では大絶賛されるものの日本では実際に歌舞伎に興昧を持ち、楽しんでいる人の数は極めて少数。
 同会では、歌舞伎の発想から発展した漫才、小劇団が活躍しているのは役者と観客との距離が近かったことに起因していると認識し、距離を縮める手段としてこの度小芝居公演の発想が浮上した。
 この小芝居が新しい歌舞伎ファンを増やすための次の扉を開く鍵になるという。

 上演内容は、第一部が「歌舞伎に親しむ [歌舞伎の美]」。いきなり歌舞伎を観るのではなく、観客に舞台裏を体験してもらうなどして歌舞伎の一端を誰にでも分かり易く披露。

 第二部が 歌舞伎 「矢作の鎌腹』 。内容は今年討ち入り300年を迎えた「忠臣蔵」。類型的な古典劇の中で一際個性的な男たちの話だ。

 第三部 歌舞伎舞踊 「日高川」。作品は安珍を慕う清姫の恋に夢中になったその情熱を様式的に見せるための独特な演出として、人形振りが生かされる。

 「この復活上演を御覧になった方々が、日本人が置忘れてしまった感情や表現を体感して頂きたいのです。そして次世代を担う人達が、歌舞伎を通じて再び日本人としての誇りを持ち、日本人の心を再発見して頂けることを信じております。」
と主催者では望んでいる。


 【公演概要】

■演出=兼元 末次

■出演=嵐橘三郎・中村歌女之丞・中村扇之丞・中村又之助・尾上緑三郎・澤村國矢

■上演時間= 3時間(予定)

■公演会場・日時

▼東京/日本橋公会堂(日本橋劇場)
平成15年2月28日(金) 13:00/開演 18:30開演
      3月 1日(土) 11:00/開演 16:00開演
          2日(日) 11:00/開演 16:00開演
         3日(月) 11:00/開演 16:00開演
         5日(水) 13:00/開演 18:30開演
         6日(木) 11:00/開演 16:00開演

▼千葉/松戸・森のホール21
         平成15年3月11日(火) 13:00開演

▼名古屋市中村文化小劇場
平成15年3月13日(木) 14:00開演/18:30開演
        14日(金) 12:00開演/16:30開演

▼京都こども文化会館(エンゼルハウス)
平成15年3月17日(月) 13:00開演/18:00開演

▼大阪厚生年金会館芸術ホール
平成15年3月18日(火) 18:30開演
        19日(水) 11:00開演/16:30開演
 
▼東京/江戸東京博物館1階ホール
平成15年3月25日(火) 18:30開演
        26日(水) 11:00開演/16:30開演

■チケット発売=平成14年1月20日(月)午前10時より

■問合せ=歌舞伎公演事務局 TEL.03−3544−4911

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