惑星ピスタチオ解散のニュースは衝撃的だった。
彗星のようにあらわれて、一気に人気劇団に駆け上がり、そして解散……。
もう二度と惑星ピスタチオが見られない、多くのピスタチオファン、いや演劇ファンは悩然としたに違いない。
―私はつかこうへい事務所の解散の時と同じような衝撃を感じていた。―
学生演劇では、必ずといっていいほど殆どの大学でピスタチオ作品が上演されている。そして私どもが主催した昨年のE-1グランプリにも「ピスタチオのような劇団」がいくつも参加していた。
惑星ピスタチオがつくりあげた演劇型式、システムは確実に広がり定着している。ならば惑星のピスタチオが切り開いたシステムをさらに広げてミュージカルと同じように、一つの演劇ジャンルとして確立させることは出来ないか、いや確立させなければならないと思った。
私は元座長の腹筋さんに、責任はあなたとピスタチオのメンバーにあるとかき口説いた。
そしてここに夢にまで見たメンバーの再結集が、しかもファントマの伊藤えん魔氏と元MOTHERの高倉良文氏という強力なメンバーの参加を得て実現した。
そして台詞劇(ストレートプレイ)、音楽劇(ミュージカル)につづく第三の演劇ジャンル(マルチディメンションプレイ)が産声をあげる。
この演劇ジャンルが全国へ、世界へ広がり、マルチディメンションプレイという言葉が普通名詞として辞書に載る日を期待している。 |