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都市のカラス対策に関する(財)日本野鳥の会の基本的視点 |
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(財)日本野鳥の会 (会長 小杉隆 ;会員数
5万 5千人) では、10月 24日、東京のカラスを減らすための対策とし、およそ次のような意見書を東京都に提出致しました。
【 都市のカラス対策に関する(財)日本野鳥の会の基本的視点
】
東京にカラスが増加したのは、人の出す生ごみが路上等に放置されカラスがこれを食物として十分な栄養を得て多くのひなを育てた結果と思われる。
その対策としては、カラスが食べる生ごみを減らすのが基本であり、半年程度でカラスを数千羽減少させようという緊急対策
「トラップによる捕獲」 は、その効果に大いに疑問がある。
捕獲檻の管理は人手がかかり、設置場所は臭い、騒音、教育上の配慮など周辺住民のことを考慮しなければならなく、毎年、駆除しつづけるための莫大な費用と労力を要しなければならない。そうしたとしても、食料を減らさなければ、個体数を削減することには結びつかない。
また都民自身、カラスが多いのは自らの生活のツケである、という認識が薄れ、反面
「カラスは行政に殺してもらえばよいのだ」
という短絡的な依存心を育ててしまう。
こうした取り組みは、現在のところ各団体個々に行われているが、東京都が広域自治体の立場で、区市町村の情報を共有し、都内の企業やカラスの研究者、ごみ減量の専門家、マスメディアといった異なる分野の人々の間で協働の場を用意し、有効な施策を開発し促進してゆけば、短期間で飛躍的な前進が可能ではないか。
東京都がリーダーシップを発揮して 「カラスとごみ」
という大きな都市問題を同時に解決するモデルをいち早く打ち立てれば、7都県市首脳会議といった場を通じて近隣自治体との間に広範な協力体制を敷くことも可能かと考える。 |
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